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金属部品の樹脂代替(板金品・鋳造品)

金属代替(樹脂化)とは

金属代替(樹脂化)とは、鉄やアルミなどの金属でできた部品を樹脂に置き換えることをいいます。従来では金属でしか強度を出せなかった部品であっても、材料や成形方法の進化により、金属代替品として樹脂が採用されるケースが増えてきました。

よって金属代替品の市場は今後も拡大していくと考えられており、自動車業界にもその動きが見られます。

自動車のEV化は急速に進んでおり、2038年までには世界の新車販売台数の50%以上がEVになると予測されています。そして、EVにおいて軽量化は航続可能距離を伸ばすために非常に重要な課題です。

こういった背景があり、EVに使用されている部品の金属代替が可能な樹脂部品が求められています。

金属代替(樹脂化)のメリット

金属代替(樹脂化)には、どのようなメリットがあるのでしょうか。詳しく解説していきます。

軽量化

金属代替(樹脂化)による一番のメリットは軽量化です。鉄の比重は約7.8、アルミの比重は約2.7であるのに対して、樹脂は約1.2〜1.4とすると、単純計算で鉄製の部品を樹脂に置き換えると80%以上の軽量化が可能であり、アルミ製の部品を樹脂に置き換えると約50%の軽量化が可能であることがわかります。
しかし、強度の関係から同形状が難しい場合も多いため、スペックを満たすための構造の最適化が必要です。

複数部品の一体化

 
金属部品だと組み立てが必要であった製品も、金属代替(樹脂化)をすることで一体化成形が可能です。組み立て等の工程数削減および部品点数削減によるコストダウンが期待できます。

機能性付与

  • 防錆性‥‥金属は酸化しやすく、錆が発生しやすいというデメリットがあります。一方、樹脂は環境に適したものを選定することで、錆を防止することが可能です。金属代替(樹脂化)をすることで防錆性を高められるのは大きなメリットと言えます。
  • 保温性‥‥一般的に金属は熱伝導率が高く熱が逃げてしまうといったデメリットがあります。金属代替(樹脂化)をすることで、断熱性能が高くなり、保温性の向上が期待できます。
  • 絶縁性‥‥樹脂は電気を通さない性質のため、絶縁性が求められる部品は金属代替(樹脂化)することで大きなメリットがあります。

塗装レス

一般的に金属部品に色をつける場合は、塗装やメッキ処理をする必要があり、後工程が発生します。一方で樹脂は、顔料を練り込むことで手軽に色をつけることが可能です。結果的に、工程削減にもつながり、コストダウンすることができます。

量産対応可能

樹脂の場合、金型を用いてブロー成形や射出成形を行うことで、量産対応が可能です。また、一体化成形することで、複数の部品を組み付ける必要もなくなり、金属よりも量産性に優れた部品を作ることができます。

金属代替(樹脂化)を検討する上での注意点

では、金属代替(樹脂化)を検討する上で注意しておきたいポイントを解説していきます。

図面変更の可能性

金属代替(樹脂化)を検討した場合、金属部品の図面をそのまま流用することは困難である場合が多いです。
なぜなら、金属代替(樹脂化)することによる強度不足を防ぐためにリブを追加したり、金型からの離型性をあげるための設計を追加する必要があるためです。
よって、金属部品と全くの同形状での製作は難しく、多くの場合は図面変更をする必要がでてきます。これにより、開発期間が伸びたり、コストUPの可能性もあります。

反りや歪み

金属代替(樹脂化)をすることによる、反りや歪みにも注意しなければいけません。特に、平面度や平行度において、金属と同じ精度で製作することは非常に難しく、ノウハウが必要です。
試作段階でどれほど反りや歪みが発生するかを確認し、公差を考慮した設計にすることが重要です。
また、樹脂部品は、有機溶剤の影響や光による形状への影響も懸念点です。金属部品で行っていた生産体制を見直す必要が出てくる可能性があります。

日本容器の金属代替・樹脂化提案

日本容器では、金属部品の代替、樹脂化の提案をさせていただきます。
特にブロー成形を得意としており、エンジン周りのパイプ・ダクト、タンクなど中空形状の樹脂部品の製造に強みを持っています。

鋳造品や板金加工品の樹脂化

日本容器では、鋳造品や板金加工品を金属代替(樹脂化)し、その部品に必要なスペックを満たすための設計および一体成形を提案することが可能です。また、3D-CAD図面から即時モデルを作成し、お客様が重要視したいスペックを早期評価することで開発期間の短縮を実現いたします。

図面段階からのサポートが可能

一般的には、モデル試作・金型製作・成形・加工機製作といったそれぞれのフローにおいて別々のメーカーを探し、開発を進めていく必要があります。しかし、日本容器では、図面段階での開発サポートから生産まで一気通貫でご提案をさせていただきます。これにより、窓口が一本化でき、お客様の負担削減につながり、コミュニケーションのズレも起きにくくなります。

金属代替・樹脂化のご相談は日本容器まで

金属代替・樹脂化は材料の選定からスペックを考慮した図面設計が非常に重要になります。
日本容器では、ブロー成形から射出成形まで1,000アイテム以上の製作実績から培ったノウハウを元に、最適なご提案が可能です。

金属代替・樹脂化をご検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。