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ユーザーの声

VOICE.01株式会社オーエフティー 様

学ぶことも多かった“ものづくりの姿勢”

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日本容器を知ったきっかけ

当社では大気圧を利用した特殊構造によって水がこぼれにくい特長を持ったペット用給水器「ブリングウォーター」という製品を企画販売しておりました。

当初の製造は海外工場に依頼していましたが、できあがってくる製品の品質が問題となっていました。

品質改善に向けて何度も要望を行いましたが、なかなか改善されず、根本的に解決するには日本の工場で製造することが一番良いのではないかということになったんです。

リサーチを行っているなかで日本容器さんのホームページを拝見し、そちらに掲載されていた燃料タンクの形状が、当社がイメージしている製品に近かったことから問い合わせをいたしました。2016年頃のことになります。日本容器さんが製造されていた燃料タンクは農機具向けに使われているもので、実物を拝見すると、これはもう絶対に良い品質だと目に見えて分かりました。高い精度要求にもきちんと応えられる会社なのだと感じ、ぜひお願いしようということになりました。

品質問題から、製品存続の危機に

そもそもブリングウォーターという製品は、大気圧の原理を使った構造であるため、蓋と本体容器の間にわずかな隙間が生じただけでも空気が漏れて、その機能を果たすことができなくなってしまいます。
にも関わらず、海外で製造された製品は「蓋(ふた)」に問題が生じていました。
そもそも蓋の品質が悪くてきちんと締めることができないという問題や、締める力がわずかに強いだけで締めすぎとなって空気が漏れ、力が少しでも弱ければ逆に締めることができないという“使いづらさ”の問題も発生していました。

ユーザーからは「説明書通りに使っているのに、水が漏れる」というクレームが相次ぎ、交換を行うにしても、ロットによっては正常な製品を探すこと自体が困難なケースもあり、その対応は社内で大変な作業となっていました。
また、改良を検討して工場側にできるかどうかを相談しても、「できる!できる!」と返事は良くても結局実現できないということが続き、根本的な解決には至りませんでした。

海外製はコストが低く抑えられるのは確かですが、ユーザーとやりとりをする人員や時間、引き取り交換にかかる送料、売り物にならない不良品の割合なども含めると採算が合わない状況となり、もはやこの製品の販売を続けるべきか否か……という事態になっていました。

学ぶことも多かった“ものづくりの姿勢”

当社の製品にとって最重要だったのは蓋の精確な加工でしたが、複雑な構造をしていますので、そう簡単に改良できるものではありませんでした。そのような状況でも、日本容器さんは大変ご尽力くださいました。初回の試作ではやはり問題が出てうまくいかなかったのですが、日本容器さんはすぐに社内で独自に金型の工夫を進めてくださいました。

営業担当さんは何度も当社へ足を運んでくださったり連絡をくださったりして、きめ細やかにフォローもしていただきましたし、たとえば当社から「こうしたらどうだろうか?」と質問を投げかけると、「それはこういう理由で、こういう現象が起こるので、難しいです」とか、「できるかもしれないが、こういったリスクが発生するかもしれないのでやめておきましょう」といった説明をきちんとしていただけるんです。

そういった“ものづくりの姿勢”というのは、海外工場とのやりとりでは経験のなかったものでしたし、当社としても学ぶことが多いプロセスだったと思います。

「製品が育っている」ことを実感

日本容器さんが製造した製品は、これまでのものとは比べものにならないほど品質が良いものとなりました。
たとえば、金型に原料を流し込んで製造するプラスチック製品は小さな突起が発生してしまうのですが、日本容器さんはそれがペットの口に当たることがないように、蓋の裏側にくるよう独自に配慮をしてくださいました。こちらが要望していないことにも細かく気がついて取り組んでいただけたことがありがたかったです。

最大の課題であった蓋の構造品質についても、劇的に改善しました。従来の製品は蓋の締め加減にも気を使うという問題がありましたが、ユーザーが力加減を特段意識しなくても蓋を適正に締められて、製品の機能性を発揮できるのでクレームや交換の数が激減。海外製のときは“ロットによっては不良品だらけ”ということもありましたがそれもなくなり、目に見えて売上げが安定していきました。

また、現在は海外製だとロット数が多くなるため展開できていなかった多色展開もスタートしています。
ユーザーに喜んでいただけるのはもちろんのこと、好まれる色や季節によって動きやすい色などの細かいデータを取ることができて大きなメリットを感じています。

日本容器さんに製造を依頼したことによって製品の魅力がどんどんブラッシュアップしており、当社としては「製品が育っている」という実感があります。

製品を確実に売りながら、次の開発にチャレンジ

今回、特にポイントとなったスクリュータイプの蓋は、つまり“回して締める”ネジの構造に共通するのですが、日本容器さんがそういった構造に強いことが分かりましたので、当社としては他の製品も改良することができるのではないかと、イメージが大きく広がっています。また、ブリングウォーター(給水器)の品質が安定したことで、次は給餌器も開発できるのではないかと考えています。

スクリュータイプの蓋は大きくなればなるほど製造技術が高度になるらしく、やはり簡単に完成には至りませんが、日本容器さんから「こうすればできるのではないか」というアドバイスをたくさんいただいております。

家で過ごす時間が長くなったことからペットを飼い始めたご家庭が増えており、ペット用品の需要も高まっていますから、開発する価値は十分にあると感じています。

そんな なか日本容器さんと出会えたことによって、製品を確実に売りながら、次の商品開発にチャレンジできる体制につながったと思います。当社にとっては、とても大きな意味のある出会いです。